前回 セミの脱皮を撮影するため(下見もかねて)
川口市にある青木町公園へ向かったスタッフは、時間が早すぎたのか その姿を見ることすら出来なかった。
しかも、カラスがセミの幼虫を地上で待つ 衝撃の瞬間を目撃する。 果たして無事にセミの羽化を 見る事が出来るのか?
暑い!暑すぎる! [暑すぎて…セミ 完結編] その一部始終を刮目せよ!
とか言って。
青木公園に戻ってきたぜ
前回と同じ夜の8時30分に到着した。 少し風がある。
水分補給に炭酸水も買ってきた。虫除けスプレーもした。
野球場のライトが点灯していて 観察には丁度よい。
数分で 木を登っているセミの幼虫を発見!
動くセミの幼虫を間近で見るのは わくわくする!
この公園だけで1日に100匹以上の幼虫が地上に出て来ているのでは ないだろうか。
この幼虫は木を高く登っていくため、撮影は無理だ。
桜の木はセミに人気だ。 脱け殻からがいくつもある。
すぐ近くの桜の木で脱皮中のセミを発見。
風が、あ、ちょっと ヤバくないっスか?
辺りの木を見るが見当たらず、前回 木の根元で脱皮していた木を見てみたが いない。
その奥の木に、球場のライトが木の根元を歩くセミの幼虫を照らした。
風もあるし、人もいるし、蚊もいるかもだし、迷ったが これはケースに入れて持ち帰り 部屋で観察することにした。(思考15秒)
持ってきた綿棒の からのケースの中に幼虫を誘導。
中身はツルツルなので、移動中 どこかにつかまって脱皮などできない。
ケースは上着のジャージのポケットに入れて、自転車で揺らさないように 急いで持ち帰った。
部屋でセミに羽化していただく
簡単に考えていた…。
大きな布地の壁を歩かせれば、適当な所で脱皮を始める、と…。
実際 大きな布は無く、幼虫にはTシャツを登ってもらった。
すぐにTシャツの端まで来て、そこで羽化するのでは?
しかし幼虫は止まらない。
慌てず次のTシャツをあてがい、登ってもらう。
横に縦に 幼虫は歩いていく。
2着のTシャツをローテーションしながら、幼虫が止まるのを待つ。
そんな事を40分間 繰り返したが 私(人間)は諦め、カナヘビ用に買ってあった流木にバトンタッチした。
羽化のすべてをここに記す 大体早送り
流木を上まて登りつめると すぐに曲がった枝の下側でモゾモゾし始めた。 羽化が始まるようだ。
私(人間)が動くと セミは動きを止める。
見られている。 うかつに動けない。
そこから数分。
幼虫の背中がうっすら 割れてきた。
映像に音声は無いが、
開始から 5分33秒の 殻を脱ぎきる音だけ音声を残した。
殻と体が擦れた音に臨場感を感じてほしい。
このあと あまり動かなくなったので、
そのままベランダに出した。
羽の色は まだ茶色になっていないが
部屋で飛ばれると怖いからだ!
羽化開始から ここまでで約3時間かかった。
少し眠ろう。 日の出は4:58、その時までセミがいれば 朝焼けを浴びた セミが撮れるかもしれない。
しかし、すぐに 目が覚めてしまった。
朝は少し曇っていた。
朝焼けは望めなさそうだったが、そこには立派なアブラゼミがいた。
私(人間)の身勝手さにも負けずに、無事に成虫になってくれた事にホッとした。
あと数分で日の出の時間だったが、それを待たずにセミは飛び立っていった。
鳴き声もたてず、一瞬の羽ばたきを残して。 完
短編小説か! みたいな。
アブラゼミよ永遠(とわ)に
後に 脱け殻から メスのアブラゼミだとわかった。
遠くで鳴いているセミ、ではない 鳴いていない あのメスのセミが長生きしますように!
ありがとね。
最後に 昆虫の脱皮と羽化を解説
- 脱皮は成長して外皮を脱ぎ捨てること。
- 羽化は脱皮して成虫になること。
蝶やカブト虫が幼虫から蛹(さなぎ)になり 成虫になることを[完全変態]と言います。
他に セミは地中で脱皮を繰り返し、幼虫のまま蛹にならずに成虫になります。
これは[不完全変態]と言います。
また羽化は成虫になって羽があるものに対して使います。
最後の最後に
脱け殻でわかる雌雄(しゆう)の判別
先ずは画像をご覧ください。
左がオスの脱け殻。 右がメスの脱け殻。
メスの産卵管の収納口がわかります。
メスの成虫でもわかります。
他にも鳴き声を出すのがオス。その見た目はお腹を見るとわかります。
それは またいつか…。
暑くて…セミ 完結編 終わりです。
最後までご覧頂き ありがとうございました。